悲しい現実

昔のことを思い出した。


私のことを大好きだという人がいた。


その人は私のことが好きなわけではないと

分かっていた。


その人は好きな人がいるという自分が好きで

それはもしかしたらDNAがそうさせて

いるのかもしれないけれど

わたしのひねくれた思考は

優性ではないものを意図的に選んで

物のようにそれを傷つけて

最終的に自分も傷つくことを選んだ。


私はサバイバーなのだと

恥ずかしいことは言いたくなかった

けれど、無自覚ではいられなくなったのは

自分が子育てをするようになり

幼少期を追体験する機会が与えられて

しまったからだ。


私は仕事柄、たくさんの困難を抱えた人に

出会う。


というか、困難を抱えた人にしか遭わない。


私も同じであるが、

人間は等しく皆尊い


自尊感情を掘り起こして

明日も生きるしかない。


でも、乗り越えられない現実ばかりだ。


騙されないよう日々気を張って

生きていかなければ

どんな落とし穴があるか分からない。


あの人を救えなかった。


でも、もう間違わない。


優しさは、いらない。